ジェイの家族がカナダからやってきた!【レストラン編②】~日本食はつらいよ~

箸でひと悶着あった後も色々と食に関しては一筋縄ではいきませんでした。

↓その他ジェイの家族話

カナダと日本の食文化の違い

カナディアンの食事スタイルは、基本一人一食オーダー制。
日本人みたいに、色々なメニューを頼んでワイワイとシェアをするスタイルに馴染みがありません。
寿司屋やラーメン屋に連れて行った時は、1人1オーダー制だったので自分が好きなものを注文していたら問題ありませんでした。

問題がおきたのは、ジェイの家族を居酒屋に連れて行った時です。

たこわさ

私の家族と合流し、みんなで居酒屋に行った時の事。

ローカルな居酒屋に行くと、もちろん英語のメニューなんて置いていないので、
オーダーするのは日本人の私達の役目でした。

私の親には、「ジェイの両親は基本的に食事に関して冒険をしない人達、
特にお母さんはびっくりするくらい何も挑戦しないから、頼んだものを食べなくても落ち込まなくてよい」
と事前に通告しておきました。

ジェイの両親以外は、何でも掃除機のように食い尽くすオールラウンダーだったので、居酒屋の定番「だし巻き玉子・魚のさしみ・唐揚げ・揚げ出し豆腐…」などなど、人気のメニューを一通り注文し、次々と注文した料理がテーブルに運ばれてきてました。

そして、酒のつまみの定番メニュー「たこわさ」がテーブルに運ばれてきた時に、ジェイの父はわが目を疑うかの如く顔面蒼白となったのです。


ジェイダディ:
「こ、これは何だい・・・?(ガクガクブルブル)」

ジェイ:
「イカを塩漬けにしているものらしいよ。・・・ちょっと気持ち悪い見た目だね。」

ジェイダディ:
「・・・これを?人間が食べるのかい?」

ジェイ:
「チャレンジしてみなよ!美味しいかもよ?」

ジェイダディ:
「(エムの父も見ているし、食べるしかない・・・。)」


みんなが固唾を飲んで、ジェイダディに視線を集めています。

ジェイダディ:
「(※パクっと少しだけ口に入れる)
 こ、これは・・・・。ユ、ユニークな味だね・・・。」(その後沈黙)


明らかにお口に召さなかったご様子。
少し申し訳ない気持ちになってしまいました。


ジェイダディが悪戦苦闘している時、ジェイママはというと、ジェイの父親が頑張って新しい日本食に挑戦しているのをケラケラと笑い、自分は手元に確保している唐揚げやフライドポテトという北米の全員が好きそうなメニューしか口に運んでいませんでした。

何も食べない母を傍らに、全てを食べつくすジェイの弟

少し踏み込んだ日本食を食べた翌日以降

何とか居酒屋でのハードボイルドな一夜を終え、私達は帰路に着いたのですが、
どうしてもジェイの父親は「たこわさ」が忘れられなかったらしく、永遠と「たこわさ」が好きではないという話をしていました。

翌日以降も、ことあるごとに味の比較対象を「たこわさ」とし、
「この料理はたこわさより美味しいね」
「この料理はあんまり好きではないな。まぁ、たこわさほど嫌いってわけでもないけど」
「この料理でたこわさのことを忘れたよっ」などなど、
「たこわさ」というワードを一生分使いきるかのように乱用していました。

日本食ばかりはつらいよ

やはり2週間の滞在中、和食メニューばかりというのは辛いらしく、何度かハンバーガーや肉肉しい肉が食べたくなっている様子でした。
そして、広島に旅行中のある晩、ジェイの父はついに我慢の限界を超えました。

ジェイダディ:
「だめだ!今日はどうしてもハンバーガーが食べたい気分だ。
みんなが食べたくないのであれば僕はグーグルマップの助けを借りて、自分で買いに行ってくる!!」

ジェイ:
「別に好きにしたらいいけど、僕たちは折角広島に来たんだし、広島焼きが食べたいな。
じゃぁ今日はテイクアウトにして、みんなでホテルで食べることにする?」

ジェイダディ:
「それはいいアイデアだね!
じゃぁ僕は早速、この近くにある“モスバーガー”というところに買いに行ってくるよ」



それぞれが食べたい物を買って部屋でのんびり食べようというプランで合致し、私達は近所の広島焼屋で人数分を調達、ジェイの父親は一人、「近くにある」というモスバーガーへと向かいました。

人数分の広島焼が出来上がるのには少々時間がかかり、広島焼と共にホテルに戻るのに30分以上はかかりました。

めちゃめちゃ美味しかった広島焼

さぁようやく食べられるぞ!と意気込んで部屋に戻ったのですが、なんとジェイの父親はまだホテルに帰ってきていません。「この近くにある」モスバーガーに行くと言っていたのにどこに向かったのでしょうか。

もしかしたら道に迷ったのかも…。でも携帯は繋がらないし、広島焼が冷めちゃうし、と心配は心配ですが、みんな空腹でジェイの父親に関しては上の空。
まずは自分たちの空腹を満たす選択をしました。(ひどい奴ら)

そして私達のお腹も満たされ始めた頃、ようやくジェイの父親が汗だくで帰ってきました。



ジェイダディ:
「いやぁ~。グーグルマップを見た時には近いと思ったんだけど、いざ向かってみたら片道30分くらいあったよ~。オーダーするのも苦戦したし、30分かけて帰ってきたから、もう冷たくなってしまったよ~。グーグルマップの奴めー。」

そう言いながら座るや否や、アメリカンなスタイルでバーガーの包みをテーブル一面に開け、そこにポテトもバサッとひろげ、大きな口でバーガーをほおばり始めました。

何で外国の人って全部広げ散らかして食べるのか謎。ジェイもよくやる。



ジェイダディ:
「やっぱりファストフードのハンバーガーはまあまあだね。しかも片道30分もかけたから冷めてしまっているし。


まぁそれでもあの時の「たこわさ」よりは口に合うテイストだけどね(ドーン!)」


いつまで経っても、「たこわさ」が忘れられない自由奔放なジェイの父なのでした。

今度カナダに行くときは「たこわさ」をジェイの父親の土産にしようかなと考えています。(本当にひどい奴)

~つづく~